ホピ山はいつも笑ってる

ゆとり世代の社会人(男)が、ギリギリのところで社会にしがみつき、毎日を面白おかしく生きていくブログです

帰宅したら家の中が普段と違う雰囲気がした話

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それはまさに今日の出来事

 

いつも通り残業をして、最寄駅から友達と電話しながら帰っていた

 

いつも通り冗談も弾み気分が良かった

 

家に着くちょっと手前で電話が終わり、

「楽しかった、明日も仕事だけど頑張ろう!」

そんなことを考えてマンションに入った

 

いつも通りポストを見て郵便物を確認する

ピザの宅配チラシ、駅前で新しく開業するジムのチラシ

 

あまり目を通さないものばかりだった

 

明日捨てればいいか、そろそろ光熱費の支払いもくるしなぁ

なんてことも考えながら、ポストを閉め家に向かった

 

 

 

階段を登ってすぐ

僕の家はそこにある

 

朝雨だったため持って行ってた傘を扉前に置き、鍵の準備をする

 

最近この鍵は締まりが悪い

ちょっと扉を引いて鍵を掛けなければ、うまくスムーズに閉まらない

 

誰かが細工しているんじゃないか、そんな非現実的なことをぼやぼや考えながら鍵を開けた

 

いつも通りの真っ暗な入り口

扉を開けて廊下の明かりが部屋に差し込む

 

まるで寝起きのような鈍い光が床に反射している

 

「ただいま」

 

誰が答えるでもないのに、毎日呟いている

 

いつも通り変わらない日々

毎日同じことの繰り返し

 

大きく漏れそうになるため息を飲み込みながら家の中に入る

 

 

 

「ん?」

 

先ほどまでのため息がなかったかのように体が緊張を覚える

 

「何かが違う…」

 

玄関に踏み入れた瞬間何かを察知した

 

間違いなくいつもと違う

 

音のない沈黙がそう僕に語りかけている

肌で感じる違和感

言葉で表そうとしても、なにとは言い難い

 

玄関の靴を見ても、特に変わった痕跡はない

いつも通り中途半端に並べられて、綺麗とも汚いとも言い難い有様

 

入ってすぐのキッチンを見てもいつも通り

洗ってない食器が溜まって、今にも崩れ落ちそうだ

 

しかし、部屋全体がいつもと違う雰囲気を放っている

 

おかしい、おかしすぎる

 

僕は困惑した

 

鍵は閉めていた、入るとき鍵を開けたから

靴は乱れておらず、誰かが入った痕跡も感じられない

 

なにが違うのだろう

下手に物音を立てぬよう、ケータイの明かりだけを頼りにゆっくりと廊下を歩く

 

僕は一人暮らしをしている

間取りは一般的な一人暮らしの部屋と変わらない1k

 

玄関、台所、通路

そこに違和感がないとすればあとは風呂場と部屋しかない

 

開きっぱなしの洗面所にケータイをかざして様子を見る

そのまま奥へ進み風呂場を確認

 

ここもいつも通りの並びでシャンプーが鎮座してる

 

 

間違いない、部屋だ

部屋に何かある

 

確信を持つと同時に恐怖も出てきた

誰かいたらどうしよう

どうやって戦おう

 

そんなことを考えながら忍び足で部屋の扉を開ける

 

 

 

………

 

 

 

いつも以上の沈黙が部屋には流れている

静かすぎる、耳が疼くほどに

 

ケータイの明かりを最大にして隅々まで確認してみる

 

 

いつも通りだ…

 

 

安堵の気持ちが一気に押し寄せてくる

ケータイの明かりを消し、電気をつけようとした時、

 

違和感はそこにあった

 

 

沈黙と暗闇が僕に覆いかぶさってきた

 

これだ!!!

これが違和感だ

 

静かすぎる!そして暗すぎる!!

明らかに闇が深い

 

急いで電気をつけようとするも、うまくつかない

さらに焦らが生まれ、なんどもボタンを叩く

 

 

 

つ、つかない!!!!

 

 

間違いなく僕はボタンを押した

5回、いや10回は押した

 

しかし電気はつかない

 

 

何かに取り憑かれたように僕は急いで家を出た

向かう場所は1つ

 

 

ポストだ

 

 

 

さっき捨てずに無視をしたチラシを闇雲に搔きわける

 

 

あった!あったぞ!!!

幾分かのチラシの下に僕の求めるものはあった

 

 

「ふふふ

ふはははははははは!!!!

おれは…おれは間違ってなかった

俺を困惑させたのはお前だぁぁぁぁあ!!!!!!」

 

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「電気供給停止のお知らせ」

 

 

 

電気を止められて、部屋中の機器が死んでいたのだ

いつも以上に暗かったのは、Wi-Fiのルーターの明かりもテレビの電源の明かりも消えていたから

 

いつも以上に静かだったのは冷蔵庫や換気の音も消えていたから

 

 

僕はコンビニへと走った

 

今日はいつも以上に静かな夜になりそうだ